FX自動売買システムの利益は課税対象?

運用ガイドコラム

日本国民には三大義務があります。国民の三大義務(こくみんのさんだいぎむ)とは、日本国憲法に定められた「教育の義務(26条2項)」「勤労の義務(27条1項)」「納税の義務(30条)」の日本国民の三つの義務を指します。

第30条「納税の義務」では、「国民は,法律の定めるところにより,納税の義務を負ふ」と定められています。

海外FX証券会社で得た利益も課税対象

FX自動売買システムを動かしている証券会社は海外にあります。そのため「日本国内で得た利益ではない」と解釈される方もいます。しかし、利益を確定させ、日本国民である自分の日本国内銀行に出金している以上、納税の義務を負うことには変わりありません。

海外証券口座に利益を保有しているうちは、含み益があるだけと考えられ、税金を支払う必要がありません。利確(売却、換金、交換)した時点で利益が確定します。当局に日本の銀行口座を照会されたら、どれくらいのお金が動いており、どれくらいの利益を得ているかなどの入出金履歴は全て捕捉されていると考えてください。

このFX自動売買システムで、もし仮に100万円以上運用され、月利が30万円程度になると、年間の利益が360万円となる計算になります。これを確定申告せずに放置しておくと、後でもし税務署からお尋ねが来て、納税していなかった時に問題になります。

弊社の方針としては、このシステムで利益を得たけれども、数年後に脱税で捕縛されてニュースなどに出てしまうことは避けていただきたく思っております。FX取引に関する税務上の取扱いについては弊社の顧問税理士より見解をいただいております。ご参考までにご説明いたします。

FX自動売買システムの利益はどんな所得か?

所得税法で分類されている所得には様々な種類があります。サラリーマンが得ている給料や賃金は給与所得、不動産の賃貸で得られる家賃収入は不動産所得などです。確定申告をされている方はご理解されていると思いますが、その分類は多岐に渡ります。

所得の種類 概要
1. 利子所得 預貯金や公社債の利子、合同運用信託などの収益の分配に関わる所得
2. 配当所得 株主や出資者が法人から受け取る配当など
3. 不動産所得 土地や建物などの貸付けによる所得
4. 事業所得 事業から生ずる所得(主に売上)
5. 給与所得 勤務先から受け取る給料賃金や賞与
6. 退職所得 退職によって勤務先から受け取る退職手当など
7. 山林所得 山林を伐採したものなどを譲渡した場合に生ずる所得
8. 譲渡所得 土地や建物など、資産の譲渡による所得
9. 一時所得 上記8つに当てはまらない、一時的な所得、法人から贈与された金品、懸賞など

サラリーマンの場合、通常は5の給与所得によって生活していることになります。給与所得については、会社が源泉徴収や年末調整事務を行っており、医療費控除や住宅借入金等特別控除をされる方を除き、自ら税務署へ出向いて確定申告をする必要は原則ありません。

【Q】ところで、FX自動売買システムの利益はどんな性質の所得に分類されるのでしょうか?

【A】これは、先物取引に係る雑所得等(雑所得等)になります。

雑所得等とは、上記1から9までの所得のいずれにも該当しない所得をいいます。

例えば次に掲げるようなものに係る所得が該当します。

  1. 公的年金等
  2. 非営業用貸金の利子
  3. 著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税

また、仮想通貨で得たお金も先物取引に係る雑所得等となります。(国税庁 No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係

海外証券会社を使ったFX自動売買システムの利益もこの先物取引に係る雑所得等に分類されると覚えてください。

税額の計算方法

FX自動売買システムの利益が雑所得等であることが判明したところで、雑所得等に対する税金は、給与所得などの他の金額と分離して税額を算出します。

サラリーマンの場合、年間の給与所得にかかる税金は、所得税、復興特別所得税、住民税の3つです。本件、FX自動売買の利益がある場合、更に4つ目の雑所得等を所得に計上します。

  1. 所得税(給与所得の5〜45%)
  2. 住民税(給与所得の概ね10%)
  3. 復興特別所得税(所得税の2.1%)
  4. 雑所得等に係る所得税(雑所得等の20%(地方税5%含みますが便宜上20%とします))

所得税額の計算方法

まず、1つ目の所得税は年間の給与所得(給与所得控除後(後述します))に対し、税率5%~45%(累進課税制度)かかることになります。国税庁のホームページより所得税の速算表を引用します。ご自身の総所得に照らし合わせてご確認ください。(国税庁 No.2260 所得税の税率

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

例えば給与所得が400万円でFX自動売買システムの雑所得等が100万円、合計500万円の所得金額の場合、給与所得に係る所得税は20%の税率で80万円の納税額ですが、控除額が427,500円ありますので、計算すると以下の税金になります。

4,000,000(所得)× 20%(税率)= 800,000(税金)

8,000,000(税金)– 427,500(控除額)= 372,500(給与所得に係る所得税額)

1,000,000(雑所得等)× 20%(税率)= 200,000(雑所得等に係る所得税額)

納税額 = 572,500円

給与所得が400万円でFX自動売買システムの雑所得等が100万円、合計500万円の所得に対し、572,500円も税金を払うのか・・・、と思ってしまったかもしれませんが、給与所得からは社会保険料控除や生命保険控除などの所得控除があります。

例えば、1年間のうちにたくさん病院に行って一定以上の医療費を支払った人には「医療費控除」、子どもを養っている人には「扶養控除」など、 個人個人の状況に応じて適用される控除があります。

所得控除額は人により異なる?

所得控除額は人により異なります。先ほどの例で、基礎控除38万円、給与所得控除134万円、社会保険料控除71万円を差し引いた場合、納税額はもっと低くなります。

所得400万円 – 基礎控除38万円 – 給与所得控除134万円 – 社会保険料控除71万円 = 157万円

課税所得157万円 × 5% = 78,500円(給与所得に係る所得税額)

納税額=278,500円

基礎控除とは?

所得税や住民税を計算するときは、収入から経費を引いた「所得額」から、さらに「所得控除」の額を引き、計算の元となる「課税所得額」を算出します。このときに差し引ける「所得控除」のうち、どのような人でも必ず一律で引くことのできる控除金額が「基礎控除」です。

所得税を計算する際の基礎控除の額は38万円です。例えば、給与収入が103万円の人の場合、給与所得控除が65万円、基礎控除が38万円ですから、103-65-38=0円で、所得税額は0円となります。

ただし、上記は2019年現在の金額です。基礎控除の金額も給与所得控除の金額も、2020年から見直しがされる予定となっています。見直しの後は、基礎控除の金額が10万円アップして48万円となり、代わりに給与所得控除の金額が一律10万円減額されます。ただし、高所得者層に対してはこの限りではありません。詳細は財務省の「平成30年度税制改正」で解説されています。

(参考:財務省「平成30年度税制改正」

給与所得控除とは?

給与所得控除とは、会社員などの給与所得者に適用される控除で、所得税等の計算の基盤となる給与所得額を求める際に、1年間の給与等の収入額に応じて差し引かれるものです。

個人事業主は売上から経費を差し引くことで事業所得を計算しますが、会社に勤める従業員の所得を同様の方式で求めようとすれば、通勤用衣服や靴などの経費をひとつひとつ計算することになり、会社が従業員ごとにこうした手続きを取るのは非常に煩雑で現実的ではありません。そのため、給与所得者にとって経費の代わりとなるものが給与所得控除であり、年収に応じて一律に計算することとなっています。

このように、給与所得控除には、個人事業主と従業員との税計算上の公平性を保つ働きと、多数いる従業員の給与所得控除を一律で計算することで税処理を簡便化する働きがあります。

社会保険料控除とは?

納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。これを社会保険料控除といいます。

控除できる金額は、その年に実際に支払った金額又は給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です。(国税庁 No.1130 社会保険料控除

住民税額の計算方法

住民税とは、都道府県が徴収する都道府県民税と、市町村が徴収する市町村民税(東京23区は特別区民税)の総称です。住民税の税率は、「所得割」「均等割」「調整控除」などがありますが、試算表は以下になります。

年収 税額(年額)
年収200万円 94,000円
年収300万円 164,000円
年収400万円 238,000円
年収500万円 318,000円
年収600万円 398,000円
年収700万円 482,000円
年収800万円 572,000円
年収900万円 662,000円
年収1000万円 752,000円
年収1100万円 852,000円
年収1200万円 952,000円

住民税は、基本的には標準税率によって、全国どの市町村でも同じ税率になるように基準が設けられていますが、都道府県、市町村の権限によって税率を変えることが認められています。

復興特別所得税額の計算方法

平成25年1月1日から令和19年(2037年)12月31日までの間に生ずる所得については、所得税とともに復興特別所得税が源泉徴収されます。復興特別所得税は2.1%です。税の使途は被災地に限定しており、政府はこれらの増税で10.5兆円を捻出する予定です。

復興特別所得税額は次の算式で求めます。

復興特別所得税額 = 基準所得税額 × 2.1%

【問題】所得税の納税額が100万円の人は復興特別所得税は幾らでしょうか?

【解答】100万円×2.1%=21,000円

給与年収1000万円でFX自動売買の雑所得等が500万円の納税額の例

それでは、給与年収が1000万円でFX自動売買の雑所得等が500万円、合計1000万円の所得があった人の納税額を例に計算してみます。

  • 年収1000万円(給与所得)
  • 海外FX自動売買年間利益500万円(雑所得等)

給与所得1000万円の所得税率は33%です。控除額は1,536,000円です。

課税される所得金額 税率 控除額
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円

10,000,000円 × 33%(3,300,000円) – 1,536,000円 = 1,764,000円(給与所得に係る所得税)

・5,000,000(雑所得等)× 20%(税率)= 1,000,000(雑所得等に係る所得税額)

1,764,000 + 1,000,000 = 2,764,000(所得税納税額)

住民税

年収1000万円(上記雑所得分は除く) 752,000円

752,000円(納税額)

復興特別所得税額

復興特別所得税額 = 基準所得税額 × 2.1%

所得税の納税額が2,764,000円でした。ここに2.1%を掛けると58,044円です。

  1. 2,764,000円(所得税)
  2. 752,000円(住民税)
  3. 58,044円(復興特別所得税)

合計3,574,044円

給与年収が1000万円でFX自動売買の雑所得等が500万円、合計1000万円の所得があった人の納税額は3,574,044円です。サラリーマンの場合は基礎控除38万円、給与所得控除220万円、社会保険料控除71万円で329万円くらいは、1000万円の収入から控除されるはずです。そのため、実際はもっと低い税額になります。

FXの自動売買利益の税金も含めて、ざっくりとした計算ですが、年間利益の30%くらい、と考えておけば良いでしょう。

トレーダーとして開業届書提出で節税できる?(個人事業主)

ここまで、海外FXによる所得が雑所得等に該当することをご説明しました。個人所得(雑所得等)として納税額を計算した場合は、税金が高いなぁ、と感じた方もいらっしゃると思います。それならば、海外FX自動売買を「投資業」や「トレーダー業」あるいは、人為的な取引ではないのだから「システムエンジニア」などとして、税務署に開業届けを提出し、「事業所得」として青色申告をすれば節税できるのではないか、と抜け道を考えたことがあるトレーダーさんもいるのではないでしょうか?

事業所得であれば、10万円または65万円の青色申告特別控除を利用することができるようになります。FX自動売買で利益を出すためにかかった経費としても、システム代金やサーバー利用代金、パソコンの購入費用、電気代や通信費用など、様々な設備の領収書が切れそうです。セミナー等に参加されている方は、セミナーまでの旅費などの交通費、会議費や食事会などの接待交際費なども経費として計上できるかもしれません。さらに、事業所得には副業で赤字になった際に、給与所得から損失分を引いて所得税の計算ができるなど、優遇されることが多々あります。

雑所得等ではそうした有利な制度が適用されないため、できれば雑所得等よりも事業所得にした方が税金がお得という理屈です。

海外FXによる所得は事業所得であると言えるのか?

争点は、個人事業の開業届書を税務署に提出したとしても、海外FXによる所得が事業所得として税務署が認めるかどうか、です。事業所得として認められるためには、収入を得る仕事が、独立、継続、反復して実行されなければなりません。

個人事業の開業届書を税務署に提出し、FXの自動売買利益を事業所得として無理やり申告し、ドヤ顔をしていたら、後で税務署から指導を受け、修正申告をする羽目になる可能性が非常に高いです。

国税庁のホームページにも、事業所得について次のように記述されています。

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。

所得税法第二十七条第一項では事業所得について以下のように定めています。

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。

海外FXの自動売買は「農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業」のどれにも該当せず、唯一該当しそうなのが 「その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得」 であると考えられます。

では、「その他の事業で政令で定めるもの」とは何なのかと言うと、所得税法施行令第六十三条第十二号の 「前各号に掲げるもののほか、対価を得て継続的に行なう事業」が、FXの自動売買に該当するかもしれないと考えられます・・・。

画面出典:電子政府の総合窓口e-Govイーガブ

以上のことことから、海外FXの自動売買が「対価を得て継続的に行なう事業」にあたるかどうかが争点になるわけです。

海外FXで実際に申告内容が事業所得と認められず、それを不服として訴訟となった例もあるようです。事業所得の定義は以下です。

  • 営利性・有償性の有無
  • 継続性・反復性の有無
  • 自己の危険と計算における事業遂行性の有無
  • その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度
  • 人的・物的設備の有無
  • その取引の目的
  • その者の職歴・社会的地位・生活状況

上記の点を基準とし、社会通念上事業と判断されるかはそれぞれのケース毎に異なります。

FX事業所得争いに関する裁決事例

国税不服審判所(平22.2.16、裁決事例集No.79)に、会社役員(以下「請求人」)が、FX取引で生じた損失を事業所得上の損失として申告し、他の所得と損益通算したところ、税務署から否認された事を不服として争った結果の裁決事例がありました。

(1) 原処分庁
一定の取引行為が「事業」に該当するかの判断は、営利を目的とする継続的行為のみならず、「事業」としての社会的客観性に照らし総合勘案すべきであり、本件FX取引については、その取引回数及び取引金額の多寡だけでなく、「事業」としての社会的客観性が問題とされるべきであるから、当該取引のための人的及び物的設備、資金の調達方法、その者の職業(経歴)、社会的地位など諸般の事情をしんしゃくすると、次のとおり本件FX取引は、「事業」としての社会的客観性を備えているとみることはできない。
イ 請求人は、本件関係法人2社の代表者としての業務中に本件FX取引を行っており、特別な人的及び物的施設を有していない。
ロ 請求人は、C証券のホームページ又はインターネット上で把握できる情報に基づき本件FX取引をしているもので、請求人自らの責任において企画を樹立し、これを遂行するなどの相当程度の労力を用いていない。
ハ 本件FX取引に関し、請求人の管理下にある資金の範囲内において当該取引を行うなど、金融機関等からの積極的な資金調達が認められない。
ニ 請求人は、本件関係法人2社の代表者としての地位を有し、同社から役員報酬を得ることを常態とする者である。

請求人は、これらの主張を不服として、平成20年12月9日に異議申立てをしたところ、異議審理庁は、平成21年2月25日付で棄却の異議決定をしました。請求人は、異議決定を経た後の原処分にも不服があるとして、平成21年2月26日に審査請求をしており、主張が以下です。

(2) 請求人
イ 本件FX取引の年間取引回数は約1,400回で、取引金額にすると130,000,000円を超える規模であり、本件FX取引のために費やす時間も一日当たり平均15時間に及ぶため、本件FX取引は「事業」である。
ロ 原処分庁は、本件FX取引について、「事業としての社会的客観性」が認められないので事業所得に該当しない旨主張するが、①本件FX取引を行うことについて人を雇用する必要はなく、パソコンか携帯電話があれば特段の設備も不要であり、②請求人自らの責任において、日々政治・経済情勢などをインターネットで情報収集するなど相当な労力を用いていること、③自己資金で事業を行った場合に、事業としての社会的客観性がないとみなされる理由が理解できないし、請求人は、経営する法人から何度か資金の借入れを行っていることからすれば、原処分庁の主張は失当である。
ハ そもそも、個人の投資家が行う事業について、社会的客観性を具備しなければならないとする原処分庁の主張は、株取引や投資活動がインターネットを介して行われることが一般的になってきた現状から時代遅れの考え方である。

請求人の主張も尤もではありますが、「本件FX取引は所得税法施行令第63条第12号の「対価を得て継続的に行う事業」に該当しないので、本件FX取引に係る所得は事業所得とは認められず、また、所得税法第23条《利子所得》から同法第34条《一時所得》までに規定する他のいずれの所得にも該当するとは認められないので、本件FX取引に係る所得は雑所得等に該当する。」との判断がなされました。

FX事業所得争いに関する判例

次に(横浜地裁平成25年7月3日判決、平成24年(行ウ)第36号)は、納税者が給与所得に係る確定申告をした後、外国為替証拠金取引(FX取引)に係る所得が事業所得に該当するため、その損失を給与所得の金額から控除(損益通算)できるとして更正の請求をしたところ、原処分庁が損益通算を否認したため、その取消しを求めて提訴したという内容です。

横浜地裁(佐竹浩之裁判長)は、「FX取引は社会通念上事業といわれるものとは異質であり、反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる事業の遂行とも認めがたいため雑所得等に該当する」と判示し、給与所得との損益通算も認められないと判示して請求を棄却しています。

いずれもFXで損失が出たので、それを黒字の部分の損失として計算し、課税額を下げようと目論見たものであり、FX自動売買システムの利益を事業所得として納税申告したわけではなく、趣旨が全く違います。

個人の事情によって判断が分かれるものまた公平な税制のありかたです。かかる判決は本業のある給与所得者に対して出されたものですが、これがたとえば専業トレーダーとして継続的に活動していて、その活動が事業的規模で行われ、且つ、ある程度安定した収益の実績がある場合ならFX取引にかかる利益も事業所得として認められる可能性もあるのではないでしょうか。

ただし、一般的にFXの性質上安定した収益というのはよっぽどの人でない限り難しいと思いますので、FXが個人事業として認められるかわからないような状態でリスクのある申告はお勧めしません。どうしても個人事業として申告したいという場合は、最低限自分の活動が事業性をもっていることを合理的に説明できる準備、具体的にはFX事業主としての活動記録、取引記録の保存や、複式簿記による帳簿記録を残しておくことが大事だと思います。(引用:酒井計事務所

FX自動売買収益が事業所得として認められる日

過去の裁決事例や判例は、人間が感情で取引をし、損失を出した結果、給与所得の金額から控除(損益通算)できるとして申告したものであり、自動売買システムを使って得た収益については、継続性や反復性、物的設備があると言えますし、いつか事業として認められる日が来るのかもしれません。

冒頭で述べたように、納税は日本国民の義務です。自動売買で儲かったお金から税金を支払い、税金が我が国で有効活用され、少子高齢化社会の財源確保と、未来の発展に期待できるくらい広い心を持ってシステムを運用されてください。

自動売買システムで得られる収益は、海外で自動売買システムを知らない個人投資家が感情的になって損切りをしたお金である、と考える事ができます。海外FXも時代はAIなどによる機械的なトレードシステムが国際的に鎬を削る時代に進歩しています。追いついていないのは税制だけです。

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